


カイエンと718のこと
ポルシェは2030年代に向けてカイエン・718モデルのフル電動モデル導入を発表しました。

カイエンは2002年に登場したポルシェ初のSUVで、ブランド初の本格オフローダーとして成功を収めました。ポルシェの経営危機を救ったモデルとも言われ、スポーツカーのDNAを保ちながら実用性を両立したことで新たなファン層を獲得しました。一方、718シリーズは1960年代の伝説的なレースカー「718」をルーツに持ち、2016年に現行の「718ボクスター」と「718ケイマン」として再登場。ミッドシップレイアウトによる高い運動性能が特徴で、ポルシェのライトウェイトスポーツカーの象徴的存在です。
これまでのカイエンと718シリーズ

近年、欧州を中心に環境規制が急速に強化され、自動車メーカーにはCO₂排出量削減が厳しく求められています。ポルシェも2030年までに新車販売の80%以上を電動化する目標を掲げ、カーボンニュートラル実現を目指しています。加えて、電動化技術の進歩によってパフォーマンスと航続距離が両立可能になり、スポーツカーやSUVでもEV化に十分対応できる土壌が整いました。ブランドのスポーツ性を犠牲にせず、新たな価値を提案できると判断し、カイエンと718シリーズのEV化が進められています。
EV化の背景

カイエンはフル電動モデルが新たに投入され、現行の内燃機関モデルやプラグインハイブリッドモデルと並行して販売される予定です。これにより、ユーザーは好みに応じてパワートレインを選べる柔軟なラインナップとなります。718シリーズについては、完全にEVへ移行し、ミッドシップ的な運動性能を電動パワートレインで再現する設計が進められています。従来の走りの楽しさを損なうことなく、次世代スポーツカーとしての存在感を確立する狙いです。
EV化でのラインナップ

ポルシェは2030年までに新車販売の80%以上を電動モデルにするという明確な目標を掲げています。この目標の中心に位置するのが、タイカンやマカンEVです。カイエンと718シリーズのEV導入も、この大きな流れの一環として位置づけられています。単なる排ガス規制対応ではなく、スポーツカーブランドとして「電動でも走りの喜びを提供する」という強い意志を込めた展開です。今後、ポルシェは伝統のドライビングエクスペリエンスを守りながら、電動化という次世代へ本格的にシフトして いくことになりそうですね。
ポルシェの電動化